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四ツ橋

誰もが「ただいま」と言える場所を〜障害者の住まいを考える〜

公開日:2025.05.28

更新日:2025.05.28

「ただいま」。この一言が、どれほどの安らぎと安心をもたらすでしょうか。私たちにとって「家」とは、単に雨風をしのぐ場所ではありません。心身を休め、自分らしくいられる、かけがえのない場所です。しかし、障害のある方々にとって、この「当たり前」の住まいを確保することは、いまだに多くの困難を伴う現実があります。

選択肢の少なさ、立ちはだかる壁

障害者の住まいと聞くと、グループホームや施設を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、これらの住まいは多様なニーズに応える重要な選択肢です。しかし、誰もが施設での生活を望むわけではありません。地域で自立した生活を送りたい、一人暮らしをしてみたい、パートナーや家族と暮らしたい。そう願う障害のある方は少なくありません。

にもかかわらず、現状ではその選択肢が非常に限られています。例えば、賃貸物件を探す場合、以下のような壁に直面することがあります。

  • 物件のバリアフリー化の不足: 車椅子での移動が困難な段差、狭い間口、手すりのない浴室など、物理的なバリアが多いのが現状です。
  • 大家さんの理解不足・偏見: 障害があるというだけで、入居を拒否されたり、偏見の目で見られたりすることがあります。「何かあったら困る」「他の住民とのトラブルが心配」といった漠然とした不安から、契約に至らないケースも少なくありません。
  • 保証人の問題: 親が高齢である、身寄りがいないなど、保証人の確保が難しいケースも多く、それが住まい探しの大きな障壁となります。
  • 情報不足: 障害者が利用できる住宅情報や、支援制度に関する情報が十分に提供されていないことも課題です。

「住まい」は「権利」である

憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めています。この「最低限度の生活」には、安心して暮らせる住まいが不可欠です。障害があるからといって、その権利が制限されることは決してあってはなりません。

近年、国や自治体も障害者の地域生活支援の重要性を認識し、様々な取り組みを進めています。例えば、障害者総合支援法に基づく居住支援事業や、空き家を活用した住まいの提供などが挙げられます。また、不動産事業者の中には、障害者の住まい探しに特化したサービスを提供したり、バリアフリー改修に積極的に取り組む企業も少しずつ増えています。

誰もが「ただいま」と言える社会へ

しかし、これらの取り組みはまだ十分とは言えません。障害のある方々が「住みたい場所で、自分らしく」暮らせる社会を実現するためには、以下の点が一層推進される必要があります。

  • バリアフリー住宅の供給促進: 新築物件におけるバリアフリー基準の徹底や、既存物件の改修支援の強化。
  • 不動産関係者の理解促進: 障害特性や必要な配慮についての研修の実施、差別解消に向けた意識改革。
  • 多様な居住支援の拡充: 専門的な相談窓口の設置、保証人代行サービスの充実、緊急時の支援体制の強化。
  • 情報提供の強化: 障害者が利用できる住宅情報や支援制度に関する情報を、わかりやすく、アクセスしやすい形で提供すること。

住まいは、生活の基盤であり、その人の尊厳を支えるものです。障害の有無に関わらず、誰もが安心して「ただいま」と言える場所を持てる社会こそが、真に豊かな社会だと信じています。

私たち一人ひとりが、障害者の住まいについて関心を持ち、理解を深めることが、その実現への第一歩となるでしょう。

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