コラム「障がい」と「仕事」

【障がい特性】精神障がいについて

2023.08.08

こんにちは。

今回は精神障がいについてその種類と症状についてみていきます。
精神障がいは思考、感情、行動、認識などの精神的な機能に障害を伴っており、日常生活に困難さが出てくる状態のことをいいます。

また動悸や頭痛、倦怠感や肌荒れなど様々な身体的な症状もあらわれます。
ただ、カウンセリングなどの心理治療や薬物療法、当事者の会などの自助グループ、または外部環境を変えることにより症状が改善することが期待できます。

まずは周りの方に相談し、適切な治療とサポートを受けることで、症状の軽減が可能となり、安定した生活を送ることができます。
代表的なものとして、うつ病、適応障がい、統合失調症、パニック障がいなどがあります。

それぞれその症状をみていきたいと思います。

うつ病と双極性障害がいについて

気分障がいのひとつで、気分の波が主な症状として表れる病気です。

うつ状態のみを認める時はうつ病と呼び、うつ状態と躁(そう)状態を繰り返す場合には、双極性障害がい(躁うつ病)と呼びます。

うつ状態とは、気分が強く落ち込み憂うつになる事です。

何事にもやる気が出ない、疲れやすい、自分が価値のない人間のように思える、死ぬことばかり考えてしまい実行に移そうとするなどの症状がでます。

躁状態とは気分が高揚して、開放的になったり怒りっぽくなったりした状態のことです。

浪費をしたり、ほとんど眠らずに働き続けたりします。

その一方で、ちょっとした事にも敏感に反応し、他人に対してイライラしたり、自分は何でもできると思い込んで人の話を聞かなくなったりもします。
薬物療法もおこないますが、何よりも家族や周囲の人に相談し、専門家の診察の上で、病気について理解することが大切です。

適応障がいについて

適応障害とは、生活の中で生じる日常的なストレスにうまく対処することができない結果、抑うつや不安感などの精神症状や行動面に変化が現れて社会生活に支障をきたす病気のことです。

適応障がいとうつ病は良く似た症状があらわれますが、適応障がいは発症の原因があるのに対し、うつ病は原因がはっきりとわからないことがあります。

家庭や学校、職場での環境の変化や人間関係の悪化が原因となることが多いですが、親しい人との離別、本人の健康問題などが誘因となることもあります。

適応障害の治療でもっとも大切なことは、原因となるストレス状態の軽減です。

これと並行して、本人に対してはストレス対処能力を高めることが非常に大事です。

しかし、ストレスを完全に排除することは困難なことが多く、ストレスとうまく付き合いながら、情緒面の症状には認知行動療法や対症的に薬物療法が行われます。

統合失調症について

発症の原因はよくわかっていませんが、100人に1人弱かかる、比較的一般的な病気となります。

「幻覚」や「妄想」が特徴的な症状ですが、様々な生活のしづらさが障がいとして表れてきます。

幻覚では、自分の悪口やうわさ、指図する声等が聞こえる幻聴が多いです。

また妄想では、いやがらせをされているという被害妄想、周囲のことが何でも自分に関係しているように思える関係妄想などがあります。

症状としては、意欲が低下したり、疲れやすく集中力が保てず、人づきあいを避け引きこもりがちになったりもします。
統合失調症は脳の病気であることを理解し、病気について正しい知識を学ぶ必要があります。

またストレスや環境の変化に弱いこともありますので、周りの方の配慮が大切になります。

薬物療法をとりながら、症状が強い時は無理をさせず、しっかりと休養をとりましょう。

パニック障がいについて

予期しない突然の強い恐怖や不快感の高まりが生じて、動悸、息苦しさ、吐き気、めまい、発汗などの“パニック発作”を繰り返す病気のことです。

多くは成人前後に発症しますが、女性のほうがなりやすい病気であるとされています。

パニック発作は通常10分程度で自然に改善していきます。

しかし、予期せぬ時に生じるため、発作に対して強い不安を覚えるようになります。

また、発作が起こった場所や発作が起こっても助けを求められないような場所へ出向くことを極端に恐れるあまり、外出できなくなるなど日常生活に支障をきたしやすいのも特徴です。

パニック症では抗うつ薬や抗不安薬を用いた薬物療法がおこなわれたり、心理治療をおこなうこともあります。カウンセリングを通して患者自身の認識と現実との違いを把握することが大切です。

適切な治療の継続によって症状を改善することができますので、パニック症を疑う症状があるときはできるだけ早めに医師に相談しましょう。

アルコール依存について

依存症とは、その行為を繰り返さないと満足できない状態となり、自らの力では止めることができなくなった結果、心身に障がいが生じ家庭生活や社会生活に悪影響が及ぶ状態のことをいいます。

代表的なものがアルコール依存症です。依存症は治療を必要とする病気であるということを、本人・家族・周囲が理解することが大切です。

本人は他者からの非難などの厳しい現実から逃れるために、さらに依存が強まるという可能性があるため、家族も同伴の上で、依存症の専門家に相談しましょう。

また、一度依存対象を断っても、再度依存してしまうことがあるため、根気強く本人を見守ることが大切です。

自律神経失調症について

自律神経失調症は何らかの原因で自律神経の機能が乱れることによって起こります。

自律神経は、交感神経と副交感神経と呼ばれる2つの反対の作用をもつ神経からなっており、交感神経は体を活発に動かすときに、副交感神経はリラックスしているときにはたらく特徴があります。
健康な人では、正反対の役割を持つこれらの神経がバランスを取りながら正常な状態を保つことができますが、ストレスやホルモンバランスの乱れによって片方の神経が過剰に興奮した状態が続くと、さまざまな症状が現れるようになります。

ストレスや生活習慣の乱れによって引き起こされるため、これらを改善することで自然とよくなることがあります。

また、症状を改善したり、不安やストレスを軽減したりするための治療薬を使うこともあります。

【障がい特性】精神障がいについて まとめ

いかがでしたでしょうか?
精神障がいは発祥の原因がわからないことも多く、似ている症状が現れることもあります。

ある時点では明確に区別できない場合もあり、発症当初は適応障がいと診断されても、経過を追ううちにうつ病や統合失調症、不安障がいなど診断名が変わることもあります。
大切なことは一人で悩まずに周りの方に相談し、適切な治療とサポートを受けることです。

その結果、症状の軽減が可能となり、安定した生活を送ることが少しずつできるようになるでしょう。

ただし、焦りは症状を悪化させることがありますので、できるだけ心ゆったりと毎日を過ごすことが近道となります。
政府や市区町村などの自治体、福祉サービスを提供している団体など、多くが連携してバリアフリーな環境を提供し、障がいのある方が活躍する社会をつくっています。

一人で抱え込まず、周りの人や行政に相談してみましょう。

時には誰かを頼ることで、心と環境がよりよくなります。

あなたらしく未来が明るいものになりますように。

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