コラム「障がい」と「仕事」

職場の人間関係で困ったこととその影響

2023.11.06

皆さんこんにちは。

就労移行支援アクセスジョブ四ツ橋 利用者のKと申します。
今回、機会があってこのコラムを担当することになりました。

今後も時々執筆することになるかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。


アクセスジョブ四ツ橋

簡単に私の自己紹介をしますと、私は主な障がいとしてADHD、そして二次障がいのうつの当事者です。
大学中退後からずっと一般就労で働いてきたのですが、うつからの復帰後の就労がうまくいきませんでした。

そこで、思い切って障がいをオープンにして働こうと思い、今年の5月からフルリモートでアクセスジョブ四ツ橋を利用しています。

コミュニケーションで困ったこと

さて、精神障がい、特に発達障がいを抱えている方は人間関係やコミュニケーションが円滑にいかずに苦労した経験があると思います。
そこで、今回は人間関係やコミュニケーションで困ったことと、その影響について、自分の体験も交えて書いていきたいと思います。

まずは、わたしが働いてきた経験から、自分が職場のコミュニケーションで困ったことを以下に書き出してみました。

困ったことの例

では、わたしが職場のコミュニケーションで困った例を具体的にご紹介いたします。

・「やるな」と言われたことをついやってしまう
・新たな環境に馴染みづらい
・自分に求められている役割がわからず、何もせず見ているだけ、的外れな行動をとってしまう
・雑談が苦手
・話を聞かない人と思われる
・自分が話すタイミングがわからない
・周りが楽しそうにしていても何が面白いのかわからない
・自分の好きなことや楽しいことに共感してもらえない
・他の人の立場に立って想像することが苦手なので、コミュニケーションがぎこちない
・言うべきではないことを突発的に言ってしまうので、トラブルを起こしてしまう

たくさんありすぎてまだまだ書き切れないくらいです。
これだけでも充分大変なことなのですが、こういったことで職場のコミュニケーションが円滑にいかなくなると、さらに色々な問題を抱えることになります。

心の問題と業務の問題

先述の通り、働く際に職場のコミュニケーションが円滑にいかなくなると、いろいろな問題を抱える事となりました。
私の経験では 主に「心の問題」と、「業務の問題」の二つに分けられます。

「心の問題」

●苦痛
発達障がいを抱えていると、ただでさえコミュニケーションや人間関係の構築に苦手意識を持っています。

そこに加えてトラブルや問題を抱えてしまうと、どう修復していいかわからず、相手と関わること、会うことが苦痛になってきます。

そうなると、段々と仕事に行くこと自体も苦痛になってきて、働くことが怖くなったりもします。

私が二次障がいを発症したのも当時の上司との人間関係に悩んだことが原因でした。
人間関係がうまくいかない状態が続いて「仕事に行きたくないなあ、会いたくないなあ」という思いが段々強くなるうちに何もやる気が起こらなくなり、気付けば布団から出られなくなってしまいました。

人間関係による苦痛は、単に今「つらい」という思いを抱える以上に心身に影響を与えることもあります。

●自己否定
「仕事が人生の全てではない」とよく言われますが、それでも職場で自分のことを理解してくれる人がいないのはつらいものです。
客観的に見て自分が悪くはないことでも、「周囲に合わせられない自分が悪いのではないか」「どうして自分は何をやってもうまくいかないんだ」と、卑屈になったり自分を責めたりしてしまいます。
そうした自己肯定感が低くなると、自分の考えや気持ちを表すことがますます苦手に感じてしまい、悪循環に陥り心身に影響を及ぼします。

●孤立・孤独
コミュニケーションがうまくいかなくなると、周囲が自分から遠ざかっていくだけでなく、自分のほうからも周囲を遠ざけてしまい、職場の中で孤立し孤独感を抱えるようになります。
そうなると身近な相談相手もいなくなってしまうので、苦痛を感じるだけでなく、ちょっとしたことの確認や質問もしづらくなってしまい、業務に支障が出る場合もあります。

このように「心の問題」は、自分を責めたり、自己肯定感が低くなったり、孤独を感じたりとその苦痛は悪循環を生み、わたしは布団から出れなくなりました。

つぎに、業務の問題を見ていきましょう。

「業務の問題」

●ミスの多発
職場での人間関係が円滑にいかず、仕事や職場への意欲が低下すると、ケアレスミスを起こすことも多くなります。ミスのことで注意を受けると、それが原因になってコミュニケーションがぎこちなくなってしまい、更に人間関係が悪化することもあります。
すると、今度はそれを意識しすぎてしまい、更に仕事上のミスやコミュニケーションのすれ違いが起こる、という悪循環に陥ってしまうことになりました。

最悪の場合、ミスや都合の悪い情報を隠すようになってしまい、そうなると業務に多大な影響を及ぼす可能性も出てきます。

●トラブルが起きる
以前いた職場で、折り合いの悪い上司との関係について、「先が思いやられる」と同僚に漏らしたところ、それが人づてに本人まで伝わり、相手が激怒してしまったことがあります。
これは極端な例ですが、人間関係がうまくいかないと、思わぬトラブルが発生することがあります。
前の項目で挙げた人間関係の悪化を恐れてミスや都合の悪い情報を隠すようになってしまう、というのもトラブルの一つと言えます。

職場の人間関係で困ったこととその影響 まとめ

今回は職場の人間関係が円滑にいかず困ったこととその影響について書いてきました。
ここまで読んで、自分にもこんなことがあったと感じたり、昔の嫌なことを思い出した人もいるかもしれません。

私も職場でうまくコミュニケーションをとるために、経験からの反省をもとに行動したり、医師と相談して服薬などで調整して努力をしてみました。
しかし、それだけでは必ずしもうまくいかないと感じています。

そこで、自分の特性を改めて正確に把握して、それに対して配慮してもらえる職場を選ぼう、と思ったのが就労移行支援を利用しようと考えた理由の一つです。
就労移行支援では、自分の特性や困りごとの把握と対策、コミュニケーショントレーニングなども行っています。
障がい当事者の方、診断は出ていないけど今までの経験から就労に困難を感じている方は、就労移行支援の利用を検討してみるのもよいのではないでしょうか。

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筆者プロフィール

就労移行支援アクセスジョブ ご利用 K氏

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📢次回は11/13(月)「職場の人間関係が円滑な場合の影響」について掲載予定です

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