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就労移行支援事業所の選び方や探し方|知っておくべき重要ポイントを解説

公開日:2025.07.01

更新日:2025.07.01

就労移行支援の選び方家探し方。知っておくべき重要ポイントについて。

就労移行支援は、病気や障がいなどで働くのが難しい方が、一般就労に必要な知識や技術を習得する福祉サービスです。事業所は全国各地にあり、それぞれ雰囲気やプログラム、就職実績などが異なります。就職に向けて前向きに取り組むには、自分が身に付けたいスキルや希望に合った事業所を探すことが大切です。

就労移行支援事業所の選び方や探し方。就労移行支援について調べる、相談する。

本記事では、就労移行支援事業所を選ぶときに見るべき7つのポイントや、具体的な探し方、利用や見学の流れを解説します。

>>> 目 次 <<<

  1. 就労移行支援事業所の選び方の7つのポイント
  2. 就労移行支援事業所を探す4つの方法
  3. 就労移行支援事業所を利用するまでの流れ
  4. 見学やお問い合わせの流れ
  5. まとめ

1.就労移行支援事業所の選び方の7つのポイント

1.就労移行支援事業所の選び方の7つのポイント

就労移行支援事業所を探す際は、対象者や支援内容、立地など、さまざまな観点から継続して通所できるかどうかを判断する必要があります。

具体的に見るべきポイントは、以下の7つです。

  1. 自分の障がいの種別が対象となっているか
  2. 必要とするサポートが実施されているか
  3. サポートプログラムの内容が充実しているか
  4. 事業所の雰囲気や支援員との相性が合うか
  5. 就職実績や定着実績があるか
  6. 家からアクセスしやすい立地か
  7. 見学・相談会を実施しているか

①自分の障がいの種別が対象となっているか

まずは、自分の障がいの種別が事業所の対象になっているか確認しましょう。就労移行支援を受けられるのは、難病や身体障がい、精神障がい、発達障がい、知的障がいなどを持っている方です。

ただし、全ての事業所がこれらの障がいに対応しているとは限りません。発達障がいのある方向けに訓練を行っている事業所もあれば、精神障がいを抱える方の就職支援を中心に行っているところもあります。

事業所によって対象としている障がいの種別が異なるため、事前にホームページや問い合わせフォームなどで確認してみましょう。

また、全ての障がいに対応していても、病状の重さや体調の安定度によっては、対応が難しいと判断される可能性があります。例えば、医療的なサポートが必要なケースでは、事業所の設備や人員体制の都合上受け入れが難しい場合があるため、事前に確認してみましょう。

自分の障がいの種別に対応している、もしくは同じ障がいを持つ利用者が多く通所している事業所であれば、体調や希望に合った働き方を見つけやすくなります。無理なく前向きに支援を受けられるよう、対象となっている障がい名をチェックしましょう。

必要とするサポートが実施されているか

パソコンを教える支援員と教わるご利用者。自分にとって必要なサポートが受けられるかどうか。WordやExcel、PowerPointなどの訓練の様子。

事業所を選ぶ上で重要なのは、自分にとって必要なサポートが受けられるかどうかです。「パソコンスキルを身に付けたい」「コミュニケーション能力を鍛える訓練をしたい」など、人によって養いたいスキルは異なります。

例えば、事務職を目指している方であれば、WordやExcel、PowerPointなどの訓練が行われる事業所を選ぶと良いでしょう。販売職や接客業を希望する方は、対人スキルやコミュニケーションスキルの育成を重視した訓練を行っている事業所が向いています。

このように、将来の目標や希望職種に合ったサポートを受けることで、長く働き続ける力を身に付けやすくります。力を入れている分野やカリキュラムの内容は、事業所ごとで異なるため、ホームページやパンフレットなどで情報収集をしてみましょう。

事業所によっては、ホームページやパンフレットなどサポート内容や得意分野の詳細が掲載されていない場合があります。その際は、メールや電話で問い合わせてみましょう。

「このような訓練は受けられますか?」

「〇〇のスキルを身に付けるためのプログラムはありますか?」

など、気軽に質問してみましょう。

不明点を遠慮せず相談してみることが、納得のいく事業所選びにつながります。

③サポートプログラムの内容が充実しているか

サポートプログラムの内容が充実しているか。資格取得、ビジネスマナー研修など。

プログラムの内容が充実しているかもチェックしましょう。

支援内容は事業所によってさまざまで、パソコンスキルの習得資格取得ビジネスマナーの研修など、多くのプログラムが用意されています。将来的に目指している職業や業界に合ったプログラムなら、就職で有利に働くでしょう。

中には、就労に必要な基礎学習だけでなく、実際の現場で役立つ資格の取得に力を入れている事業所もあります。

例えば、以下のような資格取得を目指すことができます。

  • 宅地建物取引士
  • 社会保険労務士
  • FP技能士
  • 行政書士
  • 医療事務認定実務者

事業所によって目指せる資格が異なるため、一度ホームページやパンフレットなどで確認してみましょう。

また、就職だけでなく、動画編集やマーケティングなど、Web系のフリーランスを目指す方に向けた支援を行っている事業所もあります。将来的に独立を目指すのであれば、こうしたスキルを習得できるかどうかも確認しましょう。

事業所の雰囲気や支援員との相性が合うか

事業所の雰囲気や支援員との相性は、一般就労を目指す上で大切なポイントです。

支援内容が充実していても、雰囲気が合わなかったり、話しかけづらい支援員がいたりすると、通所するのがストレスになる可能性があります。自分にとって居心地が良く、前向きに通所できる事業所を選びましょう。

事業所の雰囲気は、静かで落ち着いた環境のところもあれば、グループワークを中心とした活発な雰囲気のところもあります。雰囲気はホームページを見ただけでは分かりにくいため、実際に見学をして、支援員の接し方や話し方、他の利用者の様子、訓練中の様子などを確かめてみると良いでしょう。

特に支援員との相性は、通所を続ける上で大切なポイントとなります。カリキュラムを進める中で、支援員と定期的に会話する機会は多々あります。訓練の進捗や就職活動の悩みなど、あらゆることを相談するため、見学や体験通所で気軽に話せる支援員かどうかチェックしましょう。

就職実績や定着実績があるか

就職実績や定着実績があるか。就労移行支援は、一般企業への就職をゴールとする支援です。

事業所を選ぶ際は、どれくらいの利用者が就職しているか、就職後にどれくらいの期間働き続けているか確認しておきましょう。

就労移行支援は、一般企業への就職をゴールとする支援です。しかし、それと同様に就職後の定着率も大切なポイントとなります。早く内定が出ても、すぐに退職してしまっては本末転倒です。

例えば接客業に興味があるなら、接客業への就職実績がある事業所を選ぶと、業界の特性に合わせた訓練や面接対策を受けられる可能性があります。実際の職場で求められるスキルやマナーに沿ったプログラムであれば、より実践的な力が身に付き、就職後のギャップも少なくなるでしょう。

事業所によっては、特定の業界に属した企業とのつながりを持っている場合があります。見学や相談会のときに確認してみましょう。

また定着率が高い事業所は、障がいや病気に合わせた訓練を行っている可能性が高いです。長く働き続けるためにも、就職実績と併せて定着実績も確認しましょう。

家からアクセスしやすい立地か

無理なく通い続けられる距離や場所にあるかも確認すべき項目です。

就労移行支援は、最長2年まで通所可能ですそのため、通所に時間がかかり過ぎると負担になる可能性があります。年単位で通い続けるかどうかは人それぞれですが、自宅と事業所の距離が近い方が、就労に向けた準備を進めやすいでしょう。

就労移行支援事業所が、家からアクセスしやすい立地か無理なく通い続けられる距離や場所にあるかもポイント。歩いている女性の写真。

通いやすいかどうか判断するには、マップ上でルートを確認するだけでなく、実際にそのルートで事業所に足を運んでみることも大切です。電車やバスの所要時間や混雑具合、信号の多さなどを確認すれば、通所が負担にならないか具体的にイメージしやすくなるでしょう。

また、事業所によっては最寄り駅から送迎サービスを行っている場合があります。体力に不安がある方や、最寄り駅からアクセスしにくい事業所の場合、こうしたサービスがあるだけで通いやすくなります。送迎の範囲や運行時間、事前予約の有無などは、見学や問い合わせ時に確認しておきましょう。

※参考:厚生労働省.「就労移行支援について」p2. “就労移行支援”.(参照2025-05-02).

見学・相談会を実施しているか

見学や相談会を実施しているかどうかも確認しておきましょう。実際に足を運ぶことで、ホームページやパンフレットだけでは分からない事業所の雰囲気や支援員の対応、設備の充実度などを直接見ることができます。

どのような利用者が通っているのか、どのような訓練を行っているのかなど、通所後のイメージを具体的につかめていれば、ミスマッチが起こりにくくなります。「思っていた支援内容と違った」「雰囲気が合わなかった」といった理由での途中離脱を防ぐためにも、事前見学はとても大切です。

見学や相談会では、気になることや不安に思っていることを気軽に尋ねてみましょう。

見学や相談会のスケジュールは、ホームページに記載されているケースが多いです。希望日が決まっている場合は、早めに日程をチェックして申し込みましょう。

見学や問い合わせの方法が分からない方は、後述の「見学やお問い合わせの流れ」をご確認ください。

2.就労移行支援事業所を探す4つの方法

就労移行支援事業所を探す4つの方法。

就労移行支援事業所は全国各地にあるため「どのように探せば良いか分からない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。自分に合った事業所を見つけるには、複数の情報源を活用し、支援内容や対象者、所在地、プログラムなどを比較しながら選ぶのがポイントです。

就労移行支援事業所を探す方法は、大きく分けて以下の4つです。

  • 就労移行支援事業所の検索サイト
  • インターネットでの検索
  • お住まいの自治体への相談
  • 専門機関への相談

①就労移行支援事業所の検索サイト 

就労移行支援事業所を効率よく探すなら、専門の検索サイトを活用するのがおすすめです。所在地や障がいの種別、路線などの条件で絞って検索できるため、希望に合った事業所を見つけやすくなります。

例えば、独立行政法人福祉医療機構が運営している「障害福祉サービス等情報検索」では、地域名や所在地、事業所名などから該当する事業所を地図または一覧で表示してくれます。サービスを「就労移行支援」に選択すれば、その地域の事業所のみが表示されるように設定することが可能です。

また、独自で検索サイトを提供している自治体もあるため、一度確認してみましょう。例えば東京都では、公益財団法人東京都福祉保健財団が運営する「福ナビ とうきょう福祉ナビゲーション」で検索が可能です。

②インターネットでの検索

インターネットでキーワードを入力して検索する方法も有効です。例えば「東京都〇〇区 就労移行支援」「発達障害 就労支援 東京」など、地名と支援対象者を組み合わせて検索すると、事業所のホームページやまとめサイトが表示されます。

事業所のホームページでは、支援内容やカリキュラム、利用者の声、スタッフ紹介などが詳しく掲載されています。自分に合った事業所を探すには、こうした情報から事業所の雰囲気や経営方針を読み取ることが大切です。

前述の通り、就職実績やアクセスなどを確認し、無理なく通えるかどうか、自分の目標に合った支援が受けられるかをチェックしておきましょう。

見学や相談会を受け付けているようであれば、積極的に参加してみましょう。

③お住まいの自治体への相談

住まいの自治体の相談窓口。市役所の障がい福祉課などの窓口は、地域にある就労移行支援事業所を教えてくれます。

お住まいの自治体に相談窓口があれば、利用してみましょう。市役所の障がい福祉課などの窓口は、地域にある就労移行支援事業所を教えてくれたり、支援の概要や利用の流れなどを教えてくれる場合があります。

また、該当の地域に住んでいれば誰でも相談に乗ってくれるため、比較的気軽に足を運べる点もメリットです。

例えば東京都豊島区では、障害者就労支援センターや精神障害者福祉グループなどの相談窓口を設けています。ただし全ての自治体で、このような窓口を設けているわけではないため、事前にホームページなどで確認しておきましょう(※)。

相談するときは、どのような働き方を望んでいるか、将来的に目指したい業界は何かなど、自分の希望や就労状況を具体的に伝えるのがポイントです。

※参考:豊島区公式ホームページ「障害福祉課の相談」.“精神障害者福祉グループ・豊島区障害者就労支援センター(就労支援グループ) (参照2025-05-02).

専門機関への相

就労移行支援に関する具体的なアドバイスを受けながら、事業所を探したい方は専門機関に相談してみましょう。

ハローワークでは、就労に関する悩みを丁寧に聞いてくれます(※1)。障がい者を対象とした求人も提供してくれるため、自分に合った仕事を見つけやすくなるでしょう。

相談支援事業所は、障がいのある方の就労や生活に関する悩みを幅広く受け付けており、必要に応じて就労移行支援事業所などの関係機関につないでくれます(※2)。

具体的な専門機関は、以下の通りです。

  • ハローワーク
  • 地域障害者職業センター
  • 相談支援事業所
  • 障害者就業・生活支援センター

地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターでは、障がいや病気に配慮しながら、職業準備や生活面の相談など幅広い支援を受けられます(※3)。

※1 参考:ハローワークインターネットサービス「就職を希望する障害者の方に専門的な支援を行っています」(参照2025-05-02).

※2 参考:厚生労働省「地域障害者職業センターの概要」 (参照2025-05-02).

※2 参考:厚生労働省「障害者就業・生活支援センターの概要」 (参照2025-05-02).

※3 参考:WAM NET「相談支援事業所」 (参照2025-05-02).

3.就労移行支援事業所を利用するまでの流れ

就労移行支援事業所を利用するまでの流れ。相談支援が利用者の希望や就労状況に基づいて個別支援計画を作成する。就労移行支援事業所の見学・体験利用に申し込む。

就労移行支援事業所を利用する際は、以下の7ステップに沿って手続きを進めましょう。

  1. インターネットや自治体の窓口、専門機関などで就労移行支援事業所の情報を集める
  2. 気になる就労移行支援事業所の見学・体験利用に申し込む
  3. 利用する事業所を決定する
  4. 自治体の窓口で障害者福祉サービス受給者証を発行する
  5. 利用契約を結ぶ
  6. 相談支援が利用者の希望や就労状況に基づいて個別支援計画を作成する
  7. 支援員のサポートを受けながら就労訓練をする

以下の図は、就労移行支援をご利用の際の手続きの例です。お住まいの自治体で就労移行支援を利用するための障害福祉サービス受給者証の発行のために生活面や困りごとなどの聞き取りがあります。

障害福祉サービスの支給決定・サービス利用のプロセス(全体像)

就労移行支援をご利用の際の手続きの例。障害福祉サービス受給者証発行までの図。

出典:厚労省 障害福祉サービスの 支給決定・サービス利用 のプロセス

障害福祉サービス受給者証とは、就労移行支援などの福祉サービスを受けるために必要な書類です。利用契約時に提示する必要があるため、自治体の窓口で発行しておきましょう。

申請から約1ヵ月目安で発行されます。

4.見学やお問い合わせの流れ

スマホを持っている女性。気になる就労移行支援事業所があれば、雰囲気や訓練内容を確認するために見学を申し込んでみましょう。

気になる就労移行支援事業所があれば、雰囲気や訓練内容を確認するために見学を申し込んでみましょう。

また見学前に不明点があれば、事前に問い合わせるのも良い方法です。交通費の補助、利用開始までの流れなど、あらかじめ知っておきたい内容がある場合は、遠慮せずに確認しておきましょう。

ここでは、事業所の見学や問い合わせの流れを解説します。

●見学までの流れ

見学までの流れは事業所によって異なりますが、一般的には以下のステップで進んでいきます。

見学後は質疑応答の時間が設けられているため、不明点や悩みなどを聞いておきましょう。事業所によっては、体験利用の日程を案内してくれる場合があります。

見学の流れ8ステップ

  1. 事業所見学に申し込む
  2. メールや電話で見学日を決める
  3. 面談日に事業所を訪ねる
  4. 面談室で名前や就労状況、通院頻度などをシートに記入する
  5. 事業所の特徴や支援内容などの説明を受ける
  6. 事業所内を見学する
  7. 質疑応答で不明点や聞いておきたいことを確認する
  8. 終了

見学は「まずは話を聞いてみたい」「通えそうか確認したい」といった段階でも気軽に参加できます。複数の事業所を比べながら、自分に合ったところをじっくり決めていきましょう。

●問い合わせの流れ

問い合わせの流れは、以下の通りです。

  1. 事業所のホームページにある「お問い合わせ」ボタンをタップする
  2. お問い合わせフォームに入力する
  3. 担当者から返答が来る
  4. 見学日・相談日程などの調整

まずは、事業所のホームページにアクセスし「お問い合わせ」と書いてあるボタンをタップします。タップすると専用のフォームが表示されるため、案内に従って入力しましょう。フォームには、名前やメールアドレス、件名、問い合わせ内容の詳細などの項目が設けられています。その後、返答が来たら見学日や相談日程の調整をする流れです。

「いきなり見学するのは不安だから、まずは問い合わせだけでもしてみたい」と感じている方も、気になることがあれば気軽に質問してみましょう。

5.まとめ

就労移行支援事業所は焦らずじっくり選ぼう

就労移行支援事業所は焦らずじっくり選ぼう。見学や相談を通じて自分に合った事業所を選択する。

就労移行支援事業所は、支援内容や事業所の雰囲気など、それぞれに特徴があります。見学や相談を通じて実際の空気感を確かめ、自分に合った事業所を選びましょう。

就労移行支援事業所のアクセスジョブでは、オーダーメイドの個別支援プログラムで、障がいをお持ちの方の「働きたい」を実現します。資格取得プログラムやパソコン操作の基礎学習など、就職に役立つ多彩なカリキュラムを用意しています。

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