
ADHD(注意欠如多動症)の就職・転職ポイント!就労移行支援についても解説
公開日:2025.07.04
更新日:2026.02.02

ADHDとは注意欠如多動症と呼ばれる発達障がいです。
ADHD(注意欠如多動症)の方の就職・転職における困り感には、「集中力が続かない」「じっとしているのが苦手」といった特性をどのように対処したらよいか、があるようです。過去の仕事でも違和感や困難を感じ、離職を余儀なくされた方もいるでしょう。
ご自身でどうしたらよいかわからない場合、就労移行支援を利用する方法もありますので、最後の方でご紹介いたします。

本記事では、ADHD(注意欠如多動症)の3タイプの特性を整理した上で、就職・転職での困りごとや、仕事選びで意識したいポイントを分かりやすく解説します。
さらに、自分に合った職場を見つけるための就労移行支援制度も紹介します。就職・転職活動がうまくいかない、仕事が長続きしないと悩む方は、ぜひ参考にしてみてください。
>>> 目 次 <<<
1.ADHD(注意欠如多動症)とは?
ADHD(注意欠如多動症)は、不注意・多動性・衝動性の特性が見られる発達障がいの一つです。
発達障がいは医学的には「神経発達症群」に分類され、生まれつき脳の機能に偏りがあることにより、日常生活や学業、仕事などに支障が生じる状態を指します。
ADHD(注意欠如多動症)の方の場合、ミスやなくし物が多い、常識から大きく外れる行動を取る、集中力が持続しないといった傾向が多く見られます
またADHD(注意欠如多動症)の特性が原因で周囲の人から「変わっている」と受け取られてしまうケースもあり、本人が生きづらさを感じる要因になることもあります。
発達障がいは必ずしも健康状態に異常があるわけではありません。ですので障がい特性があることを周囲からも気付かれにくく、本人もなぜかうまくいかないという、違和感を抱きながら過ごしているケースがあります。
海外の論文では、18歳以下でADHD(注意欠如多動症)の方は、5.29%いると報告されました(※1)。信州大学の調査では、2012〜2017年にかけて、新規でADHD(注意欠如多動症)と診断された大人が急増していることも分かっています(※2)。
※1 参考:National Library of Medicine.「The worldwide prevalence of ADHD: a systematic review and metaregression analysis」 (参照2025-05-15).
※2 参考: 信州大学.「2012 年から 2017 年にかけて大人の ADHD の診断数が日本で急増」(参照2022-10-07).
2.ADHD(注意欠如多動症)の3タイプ

ADHD(注意欠如多動症)は、大きく分けて以下の3タイプに分けられます。
- 不注意型
- 多動性・衝動性優勢型
- 混合型
それぞれの特徴を見ていきましょう。
●不注意型ADHD
不注意型ADHDは、注意散漫で、集中力を維持するのが難しい特性を持ちます。このタイプの方によく見られる特徴は、以下の通りです。
- うっかりミスが多い
- 仕事や勉強などに集中し続けられない
- 仕事や課題を予定通りに進められない
- ルーティン(手順や内容が決まった仕事)が苦手
- 整理整頓ができない
- 忘れ物やなくし物が多い
- 何かを始めても途中で脱線してしまう
- 話を聞いていないと誤解される
このような不注意型ADHDの原因は解明されていないものの、「脳のワーキングメモリー」がうまく機能していないことが考えられています。ワーキングメモリーは、短期間の情報を一時的に記憶し、必要な処理を行う脳の機能です。例えば2つの指示を同時に受けたとき、それらを一時的にワーキングメモリーに記憶することによって、一つずつ順番に処理できます。
不注意型ADHDの方は、この脳のワーキングメモリーの容量が少ない傾向にあり、一度に多くの情報を記憶するのが困難です。その結果、集中力が途切れたり物事を忘れやすくなったりしてしまうとされています。
●多動性・衝動性優勢型のADHD
多動性・衝動性優勢型ADHDの方は、行動や思考に落ち着きがなく、衝動的な言動が多いという特性を持ちます。このタイプの方によく見られる特徴は、以下の通りです。
- じっと座っていられない
- そわそわして、貧乏ゆすりなど体を動かしてしまう
- 静かにしなければならない場所で騒いでしまう
- 人の会話に割り込んで話したり、質問したりしてしまう
- 順番を待つのが苦手
- 後先のことを考えず、衝動的な行動をしがち
- 衝動買いがやめられない
- 感情を抑えるのが難しく、怒りっぽく見られることがある
- 他人の話に横から口を出してしまう
多動性・衝動性優位型ADHDの原因もまだ解明されていませんが、行動や思考を司る前頭葉の働きが影響している可能性があると指摘されています。
●混合型ADHD
混合型ADHDは、不注意型と多動性・衝動性優位型の特徴を併せ持つのが特徴です。
ADHD(注意欠如多動症)と診断される方は、この混合型タイプが多いとされています。ただし、混合型の方でも、不注意型と多動性・衝動性優位型の全ての特徴に当てはまるわけではありません。
ADHD(注意欠如多動症)の現れる特性の強さや内容には個人差があります。
成長過程で特性が変化するケースもあります。子どもの頃ADHD(注意欠如多動症)と診断され、多動性・衝動性優位型の特性が顕著に出ていた方も、成長するにつれて多動性・衝動性優位型が治まり、逆に不注意型のADHD特性が目立つようになることもあるようです。
3.ADHD(注意欠如多動症)就職・転職での困りごと
ADHD(注意欠如多動症)の方は、マルチタスクやルーティンワークが苦手な傾向があります。ADHDの特性ゆえに仕事でミスを繰り返してしまった結果、以下のように不利な状況に陥ってしまうことがあります。
- 集中力が続かなく、ぼんやりしていると「仕事をサボっている」と誤解されてしまう
- 予定を忘れてしまい、スケジュール管理が苦手と見なされてしまう
このような状況から職場になじめず、仕事が長続きしない方もいます。転職して新たな職場で働き始める際に、「うまくやっていけるか不安」と強いストレスを感じる方も多いです。
このようにADHD(注意欠如多動症)の特性に加え、精神的な負担が重なることで、うつ病や摂食障がいなどの2次障害を併発してしまう方もいます。
また転職活動においては、必要書類の準備などやるべきことを後回しにしてしまい、応募のタイミングを逃してしまったりすることがあります。
ADHD(注意欠如多動症)の方が就職で企業面接を受ける際は、緊張からその場でとっさに質問に答えるのが難しく、うまく自己表現ができないと感じる方も少なくないことでしょう。
4.ADHD(注意欠如多動症)の仕事選びのポイント

つぎに、ADHD(注意欠如多動症)の方が仕事選びをする際はのポイントをご紹介します。
●ご自身の得意・不得意を把握する
ADHD(注意欠如多動症)といっても人によって特性や傾向は異なるため、自己理解を深めることでご自身に合う職種を見つけやすくなります。
そのためご自身の得意、不得意を把握するとよいでしょう。
例えば
不注意型ADHDの傾向が強い方は、
うっかりミスや物忘れが多いため、細かい確認作業が必要な仕事はあまり向いていないことがあります。一つのミスで重大な損失・事故につながる仕事は避けた方が良いでしょう。
反対に、好奇心旺盛な特性を生かしてクリエイティブな分野で力を発揮できる方が多い傾向にあります。
このようにADHD(注意欠如多動症)の方の職業選択は、得意なことを生かせる仕事に就けば、そなわった能力を発揮できる場合があります。ご自身の特性を強みに変えた仕事ではきっと長く働きやすくなるでしょう。
●職場環境を重視する
また仕事選びをする際は、職種に加えて職場環境を重視することも大切です。
ADHD(注意欠如多動症)についての理解が得られ、必要に応じたサポートが受けられる職場なら、特性上苦手な部分を補いながら、長所を生かして働くことも可能です。

例えば
不注意型ADHDの傾向が強い場合は、ダブルチェックのようなミスを減らす仕組みがある職場
多動性・衝動性優位型ADHDの傾向が強い場合は、静かで集中力を高めやすい作業環境が整っている職場
などが適しています。
●障がい者雇用枠を活用する
さらに、障がい者雇用枠を活用するという選択肢もあります。
障がい者雇用枠の特徴として企業は合理的な配慮義務があり、発達障がい(ADHD)の方を含め障がい者のサポート体制がいやすい環境といえます。
ADHD(注意欠如多動症)の方も企業と配慮事項をすり合わせを行うことで、ぐっと働きやすくなるでしょう。
「大人の発達障害」「ADHD」という言葉は社会に多く認知されてきています。
一般雇用枠で自分に合う仕事がうまく見つからない場合は、障がい者雇用枠での就職・転職を検討してみませんか。
5.ADHD(注意欠如多動症)の方に向いている仕事

一口にADHD(注意欠如多動症)といっても、向いている仕事はその人の特性や強みによって異なります。
以下は特徴別で向いている仕事の例です。
| 特徴 | 向いている仕事 |
| 発想力がある | デザイナー、イラストレーター、ライター、コピーライター、企画職、研究・開発職 |
| 行動力がある | 起業家、カメラマン、ジャーナリスト、営業職 |
| 興味のある特定の分野に没頭できる | プログラマー、システムエンジニア、職人、技術職、映像編集、建築士 |
一方で以下の職種は慎重に検討した方が良い場合があります。
- 経理・会計職
- データ入力
- 製品検査作業
- 校閲者
- 運転手
- パイロット
これらの職種は、高い集中力や正確性、繰り返し作業が求められるため、ADHD(注意欠如多動症)の方に負担になることがあります。ただし、個人差があるため、全ての方に当てはまるわけではありません。
発達障害の一つ、ADHD(注意欠如多動症)の方に向いている仕事、慎重に検討した方が良い仕事をみてきました。
先の章でご紹介しましたが、ADHD(注意欠如多動症)の方が就職や転職を考える際は自己理解が大切です。ADHD3タイプのどれにあてはまるのか、ご自身の得意分野、不得意を把握をしておきましょう。
今後は自分にとって無理なく長く働ける仕事・職場・職種を、支援機関などと相談しながら選ぶことができます。
6.障害福祉サービス就労移行支援の利用

ADHD(注意欠如多動症)の方が就職・転職活動や仕事選びをする際は、得意・不得意を把握することが大切でした。
ADHD(注意欠如多動症)の特性と上手に向き合いつつ長く働き続けるために、無理なく長く働ける仕事・職場・職種を選びたいものです。
しかし、自分で見極めるのが難しい方もいるでしょう。そのような場合、支援機関の一つとして障害福祉サービスの就労移行支援を利用するという選択肢があります。
●就労移行支援とは?
就労移行支援とは、障がいや難病のある方が一般企業への就職を目指す際に、必要なスキルの習得や就職活動の支援を受けられる障がい福祉サービスの一つです。65歳未満で一般就労を希望する方が対象となっています(※1)。
障がい種別は精神障がい、知的障がい、身体障がい、難病の方が該当し、発達障がいADHD(注意多動症)の方も対象となります。
全国には3,301カ所の就労移行支援事業所があり、以下のような支援が受けられます(※2)。
- 職業訓練
- 職場体験
- 就職活動サポート
- 職場定着サポート
職業訓練を通して、一人ひとりに合ったカリキュラムで就職に必要なスキル・知識を身に付けることにより、一般企業への就職を目指しやすくなります。受けられる職業訓練の内容は事業所によって異なるため、就労移行支援事業所を探す際は、どのような支援が受けられるかを確かめておくとよいでしょう。
ご自身の得意・不得意を見つけ、一人ひとりに合った職場や職種を見つけるサポートを受けることも可能です。就労移行支援事業所から直接求人の紹介を行うことはできませんが、ハローワークなどと連携し、手厚い就職活動サポートも行ってくれます。
●就職後6カ月間の職場定着サポート
就職後6カ月間は利用者と企業の間に立って、職場への定着に向けたサポートも行ってくれます(※3)。
利用者に対してどのような配慮が必要かなどを、上司や同僚にアドバイスしてもらえるので、職場での理解が得られやすくなるでしょう。希望する場合は、就労移行支援での6カ月間の職場定着支援の後、別の障がい福祉サービスで最大3年間の継続支援を受けることも可能です(※3)。
就労移行支援の利用期間は原則2年となっています(※1)。主に就職実現に向けたサポートを行うサービスのため、基本的には給与や工賃は発生しません。
※1 参考:厚生労働省.「障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス」 (参照2014-09-25).
※2 参考:厚生労働省.「地域における就労移行支援及び就労定着支援の動向及び就労定着に係る支援の実態把握に関する調査研究」 (参照2025-05-15).
※3 参考:厚生労働省.「障害者の就労支援について」(参照2021-06-21).
7.就労移行支援アクセスジョブADHDの方むけのサポート

アクセスジョブは、教育・福祉分野で50年の実績を持つクラ・ゼミグループが運営する就労移行支援事業所です(※1)。これまで700名以上の方の就労実現をサポートしてきました(※1)。
●発達障がいADHD(注意多動症)の方も対象とした基本サポート
一般的な就労移行支援と同様に、以下のような基本的なサポートが受けられます。
- 職業訓練
- 職場探しのサポート
- 就職活動サポート
- 職場定着サポート
- 個別支援
●就労移行支援アクセスジョブADHDの方むけのサポート(※1)
アクセスジョブでは、発達障害の一つであるADHD(注意欠如多動症)の方の就労サポートとして以下のような特徴があげられます。
- 一人ひとりの障がい特性や状況に応じたオーダーメイド支援プログラム
- 研究機関「発達支援研究所」と連携し、ADHD(注意欠如多動症)の方の特性を理解した支援
- 毎日自宅からも受講できるオンライン講義(全国18事業所の仲間とコミュニケーション)(※2)
- 資格取得プログラム(500以上の資格に対応)
上記は一例です。就労移行支援アクセスジョブでは、クラ・ゼミグループの研究機関「発達支援研究所」と連携し、ADHD(注意欠如多動症)の方の特性を理解する支援を提供しています。
●1年以内の就職実現例が多数、職場定着率は85%以上
厚生労働省によると、就労移行支援を利用して就職を実現するまでの平均期間は15.9カ月です(※3)。アクセスジョブだと、それよりも短期間での就労実現を目指せるだけでなく、ご自身に合った職場を見つけて、長く働き続けている方も多くいます(※1)。
アクセスジョブの就職率は91%となっており、発達障がい(ADHD)のかたも含まれます。(※4)
ADHD(注意欠如多動症)の特性を踏まえた支援を受けたい方、短期間での就職を目指したい方、自分に合った職場で長く働きたい方には、アクセスジョブの活用がおすすめです。
※1 参考:アクセスジョブトップページ(参照2025-2-1)
※2参考:就労移行支援アクセスジョブのカリキュラム一覧 オンライン講義
※3 参考:厚生労働省.「第 15 回 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 議事次第(オンライン会議)」 (参照2020-09-24)
※4 参考コラム:アクセスジョブの就労移行支援は就職率91%以上!
8.まずは見学や問い合わせをしてみる

就労移行支援の利用を検討される方は、まずは気になる事業所に見学や問い合わせすることをおすすめします。
就労移行支援事業所で受けられる基本的なサポートは、ほとんど同じです。しかし、事業所ごとに強みや特徴は異なります。見学に行けば、事業所の雰囲気や訓練の様子をご自身の目で見れます。複数の事業所を見学すれば、ご自身との相性を見極め、事業所ごとの比較をした上で、事業所選びを行えるでしょう。
「いきなり見学に行くのは不安」という方は、まず電話やメールで事業所に問い合わせて、不安や疑問を相談してみるのも一つの方法です。担当者からの説明を受けることで、疑問を解消した上で見学を進められるでしょう。
ADHD(注意欠如多動症)の方が特性に適した職場で、理想の働き方を実現するには、ご自身にあった就労移行支援事業所を見つけることが大切です。
アクセスジョブでも、随時見学やご相談を受け付けています。Webサイトのお問い合わせフォームからのご相談も可能なので、お気軽にお問い合わせください。
9.まとめ ADHD(注意欠如多動症)の就職・転職ポイント

●ADHD(注意欠如多動症)自分の得意を生かした就職を実現しよう
発達障がいの一つであるADHD(注意欠如多動症)の方は、集中力の維持が難しかったり、衝動的な言動をしてしまったりしやすい特性から、就職や転職での悩みを抱えやすい傾向にあります。
今後一つの職場で長く働き続けるためには、ADHDと上手につきあいつつ自分を理解し、自分の特性を生かせる職場を見つけることがカギとなるようです。
障害福祉サービスの就労移行支援事業所では、一人ひとりの特性を踏まえた職場探しをサポートしてくれます。就職・転職にお悩みの方は、就労移行支援の利用を検討してみると良いでしょう。
お問合せ:就労移行支援アクセスジョブ
発達障がいの特性や療育を研究している「発達支援研究所」(※3)と連携しているアクセスジョブでは、「誰にだって輝ける舞台がある」を理念に、ご利用者に寄り添った支援を行っています。見学やお問い合わせは随時受け付けていますので、まずはお気軽にご相談ください。
オーダーメイドの個別支援プログラムで、ADHD(注意欠如多動症)の方の「働きたい」を実現します。資格取得プログラムやパソコン操作の基礎学習など、就職に役立つ多彩なカリキュラムを用意しています。

アクセスジョブの就労支援が少しでも気になったというかたは、ぜひ最寄りの事業所をチェックしてみてください。以下の「事業所を探す」からお探しいただけます。
ADHD(注意欠如多動症)で、就労移行支援を通して就職を目指したい方は、気になる事業所を見学してみるのがおすすめです。
メールによるお問い合わせも随時受け付けています。まずは気軽にお問い合わせください。
※1 参考:アクセスジョブ.「アクセスジョブとは」 (参照2025-04-30)
※2 参考:アクセスジョブ.「トップページ」 (参照2025-04-30)