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清澄白河

不安と上手に付き合うための方法:認知行動療法 (CBT) 入門

公開日:2025.08.11

更新日:2025.08.11

不安と上手に付き合うための方法:認知行動療法 (CBT) 入門

人生には、嬉しいことばかりではありません。

仕事、人間関係、将来への漠然とした不安… 誰もが、様々な不安に直面します。 これらの不安を完全に消し去ることは難しいかもしれません。

しかし、不安と上手に付き合う方法を学ぶことで、より穏やかで充実した日々を送ることができるでしょう。

この記事では、そのための有効なツールとして「認知行動療法(CBT)」を紹介します。

1. 認知行動療法(CBT)とは?

認知行動療法(CBT)は、私たちの「考え方(認知)」と「行動」の両方にアプローチすることで、不安やストレスを軽減し、より良い状態を保つための心理療法です。 不安やストレスの原因となる考え方(認知)を客観的に見つめ直し、より建設的な考え方へと修正することで、感情や行動をコントロールすることを目指します。 つまり、不安を完全に消し去るのではなく、不安と上手に付き合うためのスキルを身につけるための方法です。

2. CBT の具体的なテクニック

CBT には様々なテクニックがありますが、特に日常生活で役立つものをいくつかご紹介します。

  • 認知の再構成: 不安やストレスにつながるネガティブな思考を、より現実的でバランスの取れた思考に修正します。 例えば、「絶対に失敗する」という思考を「うまくいく可能性もあるし、うまくいかなくても学びがある」に変えるなど。 完璧主義に陥りがちな方は、特にこのテクニックが有効です。
  • 暴露療法: 不安の対象に少しずつ触れていくことで、不安に慣れていく方法です。 例えば、人前で話すのが苦手な人は、少人数の前で話す練習から始め、徐々に人数を増やしていくなど、段階的に挑戦することで、不安を克服するのではなく、不安に慣れ、対処できるようになっていきます。
  • リフレーミング: 出来事を異なる視点から見て、解釈を変えることで、不安を軽減する方法です。 例えば、プレゼンテーションで失敗したとしても、「貴重な経験ができた」「次回への改善点が見つかった」と捉え直すなど、ネガティブな出来事にもプラスの側面を見出すことで、不安を軽減します。
  • 行動活性化: 積極的に行動することで、気分を改善し、不安を軽減する方法です。 不安を感じている時こそ、散歩に出かけたり、友人と会話をしたり、好きなことをする時間を作ることで、気分転換を図りましょう。

これらのテクニックは、それぞれ単独で、または組み合わせて使うことができます。 自分に合った方法を見つけることが大切です。

3. CBT を日常生活に取り入れるには?

CBT は、専門家の指導を受けるのが理想的ですが、自己流でも実践できるテクニックがたくさんあります。

  • 不安日記をつける: 不安を感じた時、その状況、思考、感情を記録します。 記録することで、自分の不安のパターンを把握しやすくなり、不安が起きた時の対処法を見つけやすくなります。
  • ネガティブな思考に気づく: 日頃から、自分の思考を客観的に観察し、ネガティブな思考に気づきましょう。 気づいたら、認知の再構成を試してみましょう。 「〜しなければならない」という思考は、特に注意が必要です。
  • 小さな成功体験を積み重ねる: 小さな目標を設定し、達成することで、自信を高め、不安を軽減することができます。 小さな成功体験を積み重ねることで、自己肯定感を高め、不安に立ち向かう力を養いましょう。

4. 専門家への相談

自己流で CBT に取り組むのが難しい、または不安が大きすぎる場合は、専門家(臨床心理士や精神科医など)に相談することをおすすめします。 専門家は、あなたに合った CBT のテクニックを選び、実践方法を指導してくれます。

まとめ

不安は、人生の一部です。 不安を完全に消し去ることは難しいかもしれませんが、CBT を活用することで、不安と上手に付き合う方法を学ぶことができます。 まずは、小さなことから始めてみましょう。 この記事が、不安に寄り添い、より穏やかな日々を送るためのヒントになれば幸いです。