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西船橋
ASD(自閉スペクトラム症)の方の特徴と向いている仕事【就労移行支援】
公開日:2025.12.12
更新日:2025.12.12

はじめに
ASD(自閉スペクトラム症)の方は、独自の認知特性を持っており、それは決して「できないこと」ではなく、「異なる方法で情報を処理する」ということです。この記事では、ASDの方の特徴と、その特性を活かせる仕事、そして就労移行支援の活用方法についてご紹介します。
ASDの方の主な特徴
〈強みとなる特性〉
1. 高い集中力と専門性
一つのことに深く没頭できる能力があり、特定の分野で専門的な知識やスキルを身につけることが得意です。興味のある分野については、驚異的な記憶力と理解力を発揮することも少なくありません。
2. 論理的思考力
物事をルールやパターンに基づいて理解し、論理的に考えることが得意です。システマティックなアプローチで問題解決に取り組めます。
3. 正確性へのこだわり
細部まで注意を払い、正確な作業を行うことができます。ミスを見逃さない観察眼は、多くの職場で重宝されます。
4. ルーチンワークへの適性
決まった手順や規則性のある作業を、安定して継続できる強みがあります。
〈配慮が必要な特性〉
1. コミュニケーションの特性
暗黙の了解や曖昧な指示の理解に時間がかかることがあります。明確で具体的な指示があると、より力を発揮できます。
2. 感覚の過敏性
音、光、におい、触覚などに敏感な場合があり、環境調整が重要です。
3. 予定変更への対応
急な変更や予測できない状況に不安を感じやすい傾向があります。
4. マルチタスクの難しさ
複数の業務を同時進行するよりも、一つずつ集中して取り組む方が効率的です。
ASDの方に向いている仕事
〈IT・技術系〉
▼プログラマー・エンジニア
論理的思考力と集中力が活かせる職種です。コードの正確性が求められる仕事は、ASDの方の強みと相性が良好です。
▼データアナリスト
データのパターンを見出し、分析する能力が活かせます。
▼Webデザイナー
細部へのこだわりと創造性を組み合わせられる仕事です。
〈専門職・研究職〉
▼研究者・アナリスト
特定分野への深い探求心と専門性を活かせます。
▼図書館司書
体系的な分類と整理が得意な方に向いています。
▼品質管理・検査員
細かい部分まで注意を払い、ミスを見逃さない能力が重要な職種です。
〈クリエイティブ系〉
▼イラストレーター・デザイナー
視覚的な表現力と独自の感性を活かせます。
▼作家・ライター
特定のテーマについて深く掘り下げる能力が活かせます。
就労移行支援の活用方法
就労移行支援とは
就労移行支援は、障害のある方が一般企業への就職を目指すための福祉サービスです。原則2年間利用でき、就職活動から職場定着まで総合的にサポートを受けられます。

就労移行支援で受けられるサポート
1. 自己理解の促進
自分の特性や強み、配慮が必要な点を整理し、理解を深めます。これは、適切な職場選びの基盤となります。
2. ビジネススキルの習得
- パソコンスキル(Word、Excel、PowerPointなど)
- ビジネスマナーやコミュニケーションスキル
- 専門的なスキル(プログラミング、デザインなど)
3. 職場体験・実習
実際の職場環境で働く経験を積むことで、自分に合った仕事や環境を見極められます。
4. 就職活動のサポート
- 履歴書・職務経歴書の作成支援
- 面接練習と同行支援
- 企業とのマッチング
- 障害の開示・非開示についての相談
5. 職場定着支援
就職後も定期的な面談を通じて、職場での困りごとや悩みを相談できます。必要に応じて、企業との調整も行います。
就職後の職場定着のために
〈合理的配慮の活用〉
障害者雇用促進法により、企業は障害のある方に対して「合理的配慮」を提供することが義務付けられています。
- 静かな環境での業務配置
- 指示の文書化・視覚化
- 予定変更時の事前通知
- 業務の優先順位の明確化
- 定期的な面談の実施
〈支援機関の継続利用〉
就労移行支援事業所や障害者就業・生活支援センターなど、就職後も相談できる支援機関との関係を維持することが、長期的な職場定着につながります。
まとめ
ASDの方は、独自の強みと特性を持っています。それらを理解し、適切な環境と支援があれば、多くの職場で力を発揮することができます。就労移行支援は、自分に合った働き方を見つけ、安定した就労を実現するための強力なサポートとなります。
自分らしく働ける場所を見つけるために、まずは事業所に相談してみることをお勧めします。
事業所で見学や体験利用が可能ですので、気軽に問い合わせてみてください。