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仙台
就職活動で「正解」が見つからないあなたへ。後悔しない仕事選びは「自分で決める」ことから始まる
公開日:2025.12.15
更新日:2025.12.15


就職活動を進める中で、「どの求人が自分に合っているのか分からない」「本当に自分に務まるのだろうか」と不安になることはありませんか? そんな時、誰かに「これが正解だよ」と決めてほしくなる気持ちは、とても自然なものです。
しかし、私たち就労移行支援事業所の支援員は、あなたの代わりに進路を決定することはありません。時には「冷たい」と感じられるかもしれませんが、そこには「あなたが長く、納得して働き続けるため」の深い理由があります。
今回は、私たちが大切にしている「自分で決めること(自己決定)」の重要性と、迷った時のヒントをお伝えします。
1. 就職に「絶対の正解」はありません
なぜ支援員は「この会社にしなさい」と言わないのでしょうか。 それは、「働くこと」があなたの「生き方」そのものだからです。障害の有無に関わらず、自分の人生をどう歩むかの決定権は、常にあなた自身にあります。
また、就職活動は数学のように「1+1=2」という決まった答えがあるものではありません。 Aさんにとっては最高の職場でも、Bさんにとっては辛い職場かもしれません。つまり、仕事選びにおいて重要なのは、正解・不正解(〇か×か)ではなく、「自分がその選択に納得しているかどうか」なのです。
2. 「自分で決めた」という実感が、あなたを強くする
誰かのアドバイスに従って就職したとしましょう。もし、そこで壁にぶつかった時、どう感じるでしょうか? 「あの人が勧めたから」「言われた通りにしたのに」と、他人のせい(他責)にしてしまうかもしれません。しかし、誰かのせいにしても、失った時間や傷ついた自信は戻ってきません。
一方で、自分で悩み、自分で決断した道であれば、たとえ困難があっても受け止め方が変わります。 「自分で選んだ道だから、もう少し頑張ってみよう」「自分で決めたことだから、次はこう工夫してみよう」 この当事者意識(責任感)こそが、働く上で直面するストレスや困難を乗り越える一番の力になります。
3. 企業が求めるものと、自分の現在地を知る

もちろん、闇雲に決めるだけでは就職はうまくいきません。仕事とは、企業の要望(他者評価)に自分を合わせていくプロセスでもあります。
私たち支援員は、求人票の言葉を分かりやすく翻訳し、企業の意図をお伝えします。 その情報をもとに、「今の自分の実力で届くのか」「自分にマッチしているか」を冷静に見つめてみてください。「自分を知る(自己理解)」ことから逃げず、客観的に自分を見つめることが、納得のいく決定への第一歩です。
4. 迷った時に問いかけたい「2つの判断基準」

「自分で決めていいと言われても、自信がない…」 そんな時は、以下の2つのポイントを自分自身に問いかけてみてください。
① その選択に見合う「準備」をしているか?
「なりたい自分」や「就きたい仕事」があるなら、そこへ近づくための具体的な行動(通所を安定させる、資格を取る、スキルを磨くなど)を起こせているでしょうか。 努力を重ねている人は、もし結果がダメでも「悔しい」と感じ、それをバネに再挑戦できます。逆に、今の実力で無理なくできる仕事を選ぶことも、立派な戦略的決断です。
② その選択に「腹落ち」しているか?
最も大切なのは、「なんとなく」や「人に言われたから」ではなく、「自分で考え抜いて選んだ」という納得感です。 心から納得して選んだ道ならば、どんな結果になっても後悔は残りません。その納得感が、あなたのキャリアの土台になります。
5. 「失敗」の定義を変えれば、怖くない
自分で決めて動いた結果、うまくいかないことも当然あります。しかし、それを「失敗=ダメなこと」と捉えないでください。
成功と失敗ではなく、「成功」と「経験」があるだけ

うまくいかなかった事実は、「この方法ではうまくいかない」という貴重なデータ(経験)を得たということです。 「悔しい」だけで終わらせず、「なぜダメだったのか(原因)」「次はどうするか(対策)」を考える。このサイクルこそが成長であり、働くということです。
まとめ:小さな「選択」から一緒に始めましょう
過去の経験データをもとに、自分の道を自分で決め、選択していくプロセス。これこそが就労移行支援事業所で身につけてほしい「働く力」の本質です。
最初から大きな決断をする必要はありません。日々の訓練の中で、小さな選択から「自分で決める練習」を積み重ねていきましょう。 私たちは、あなたが自分で納得のいく答えを出せるよう、情報提供や環境づくりを通して全力でサポートします。
「自分らしく働きたい」という想い、まずは私たちに聞かせてください。