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就労継続支援A型に応募する際の履歴書の効果的な書き方とポイント

公開日:2025.07.13

更新日:2025.07.13

就労継続支援A型に応募する際の履歴書の効果的な書き方とポイント

就労継続支援A型に応募する際には、履歴書の提出が求められます。履歴書の基本的な書き方は一般就労と同様ですが、病気や障がいについて適切に伝えられるか心配な方もいるでしょう。

履歴書を書く女性の後ろ姿。就労継続支援A型に応募する際には、履歴書の提出が求められます。

就労継続支援A型への応募を検討している方は、事前に履歴書の書き方を把握することが重要です。本記事では、就労継続支援A型に応募する際の履歴書の効果的な書き方とポイントを解説します。

それでは、ご一緒に確認していきましょう。

就労継続支援A型は、障害者総合支援法に基づく障がい福祉サービスの一つです。

就労継続支援A型事業所に雇用されると、一般就労が困難な障がいや難病のある方が、さまざまな困りごとや体調に合わせて「福祉的就労」という形で働けます。福祉的就労とは、一般の企業などへの就職が難しい方が、障がい福祉サービスの中で就労機会を得る働き方です。

就労継続支援A型事業所の仕事の一例。パソコンでの仕事をしながら会話をする男女5名の写真。

A型事業所の利用者は事業所と雇用契約を結び、原則として最低賃金以上の給与を得ながらそれぞれの能力に応じた業務に取り組みます。対象となるのは原則として18歳以上65歳未満の身体障がい・知的障がい・発達障がいを含む精神障がい、指定された難病のある方です。

過去に就労移行支援を利用しても一般就労に結び付かなかった方や、離職中の方なども対象となる場合があります。また一定の条件を満たせば、65歳以上の方も継続して利用が可能です。

勤務日数や時間は事業所によって異なりますが、製造作業や事務作業、接客業、軽作業など、多様な仕事への就労を目指せます。

就労継続支援A型の履歴書では、障がいのある方への支援を行っている企業であるという特性を踏まえ、自分の経験やスキルがどのように貢献できるのかを具体的に示すことがポイントです。採用担当者は、応募者の熱意や事業所の理念への共感を重視しています。

エプロンを付け、カフェで働く男女の写真。就労継続支援A型事業所の仕事の一例。A型で雇用されると、一般就労が困難な障がいや難病のある方が、「福祉的就労」という形で働けます。

志望動機では、その就労継続支援A型で働きたい理由を、自分の経験や思いを交えながら具体的に記述しましょう。

事業所の理念や方針に共感する点を明確に示し、入社後にどのように貢献したいかを述べることが大切です。

また、これまでの経験や得意なスキルを具体的にアピールし、どのように活躍できるのかを説明しましょう。具体的なエピソードを交えることで、面接官に納得してもらいやすくなります。

このように、履歴書全体を通して自分の言葉で丁寧に記述し、熱意と適性を効果的に伝えることが重要です。

履歴書を作成する際には、基本的なルールを押さえておくことが大切です。書き方のルールを把握していれば、採用担当者にあなたの情報を分かりやすく伝えられます。

ここでは、履歴書の覚えておきたい基本ルールを解説します。

●修正液は使わない

履歴書で書き間違いをした場合、修正液や修正テープの使用は原則として避けましょう。修正は第三者による改ざんの疑いを招き、書類の信頼性を損なう可能性があります。

また修正箇所があると、注意不足や丁寧さに欠けるといった印象を与えかねません。履歴書は最初の印象を左右する書類のため、間違えた際は修正せずに新しい用紙で書き直しましょう。

●略称・略記は使わない

略称や略記は読み手に不丁寧な印象を与え、正式な文書としての信頼性を損なう可能性があります。

履歴書などの正式な書類では株式会社を(株)とせず、株式会社と正式名称で記載することが重要です。同様に、平成・令和などの和暦をH・Rと略すのも避けましょう。

パソコンなどで作成する場合も、略字で入力しないよう注意が必要です。また、手書きの際も普段使い慣れた略字ではなく、楷書 (かいしょ)で丁寧に記述しましょう。

履歴書にボールペンが添えられている写真。履歴書を作成する際には、基本的なルールを押さえておくことが大切です。

●年号は統一する

履歴書内で年号を記述する際は、和暦と西暦のどちらか一方に統一することが大切です。年号が混在していると読み手に混乱を与え、書類が読みにくくなります。

原則として西暦での記載で問題ありませんが、提出先が官公庁の場合は和暦が推奨されるケースもあります。外資系企業へ提出する際は、西暦を選ぶのが一般的です。

迷った場合は西暦に加えて括弧書きで和暦を添えるようにしましょう。

●ペンは途中で変えない

履歴書を手書きする際、途中でペンを変更するのはあまりおすすめできません。ペンの種類が変わると、書類全体の文字の太さやインクの色合いが微妙に異なり、雑な印象を与える可能性があります。

最初から最後まで同じ種類のペンを使用し、一貫性のある文字で記述しましょう。

また、摩擦で消えるペンや色付きのペン、シャープペンシルなどの使用は正式な書類には不適切です。

●文字の量・大きさを統一する

履歴書を作成する際、文字の量と大きさは読みやすさに直結するため重要です。空欄が目立つほど少ない記述や、逆に余白なく詰め込んだ状態は避けましょう。

また、文字が小さ過ぎたり大き過ぎたりすると読みにくいため、適切なサイズで丁寧に書きましょう。採用担当者は、丁寧で見やすい履歴書から応募者の丁寧さや配慮をチェックしています。

●履歴書の使い回しはしない

履歴書は応募する企業ごとの作成が必要です。過去に別の企業へ提出した日付の古い履歴書を再利用すると、印象が悪くなる可能性があります。

特に正社員としての転職では、各事業所や施設に合わせて志望動機を具体的に記述する必要があるため、使い回しはできません。企業ごとの求める人物像や事業内容を理解し、熱意が伝わるよう個別の履歴書を作成しましょう。

就労継続支援A型で面接が行われるのは、雇用契約の締結が大きな理由です。

一般企業と同様に、事業所は応募者の意欲やコミュニケーション能力、そして事業内容への適性を直接確認する必要があります。書類選考だけでは判断できない、応募者の熱意や人となりを面接を通して見極めることは、円滑な事業運営と利用者の安定した就労に必要です。

個人の様々な能力を黒板に書き出している図。面接では意欲やコミュニケーション能力、そして事業内容への適性を確認します。

A型事業所は福祉施設であると同時に事業として利益を出す必要があり、それが利用者の賃金に直結します。そのため、安定して通所でき、生産活動に意欲的に取り組める人材を求めています。

面接は応募者の就労意欲や体力、生活リズムなどを把握し、A型事業所での就労が適切かどうかを判断する重要な機会です。

また、多くのA型事業所は、特定の障がい種別を対象としている場合があります。事業所の作業内容や支援体制が、特定の障がいのある方にとってより適していると考えられるからです。

面接を通じて応募者の障がいの種類や程度を確認し、事業所が提供できる支援とのミスマッチを防ぐことは、双方にとってより良い就労環境を築く上で大切です。このように、面接は単なる選考の場ではなく、利用者と事業所が相互理解を深め、適切な関係性を構築するためのプロセスといえるでしょう。

履歴書は、面接官が最初に目にする自己アピールのための大切なツールです。特に就労継続支援においては自分の経験や特技を具体的に示すことで、他の応募者との差別化を図り、良い印象を与えるきっかけとなります。

面接を受けるスーツを着た女性。就労継続支援A型の面接では自分の経験や特技を具体的に示すことが必要です。

また、学歴や職歴を示すことで自分のバックグラウンドを伝え、組織にどのような価値を提供できるのかを示すこともできます。

面接では履歴書に記載した内容に基づいて質問されることが多いため、作成時から明確で具体的な内容を記述することが大切です。自己PRにおいては強みを素直に伝え、応募する仕事への適性をアピールしましょう。

このように、履歴書は単なる情報伝達の手段ではなく、面接官とのコミュニケーションの基盤として活用することが大切です。

●履歴書をもとに話すポイント

面接では、履歴書に記載した自己PRの内容を軸に話を進めることが重要です。

履歴書で伝えた強みや特技に関する核となるメッセージは変えずに、具体的なエピソードを交えながら説明することで説得力を高められます。抽象的なアピールに深みを持たせるためには、過去の経験に基づいた成果を具体的に語りましょう。

また、応募先の企業や団体が求める人物像を理解し、自分の強みがどのように貢献できるのかを明確に伝えることも大切です。その際には、履歴書の趣旨から逸脱しないように心掛けましょう。

他にも、面接官が履歴書の内容を深掘りして質問するため、事前に想定される質問への回答を準備しておくことが大切です。自分の自己PRを他者に見てもらい、疑問点を洗い出しておくのが良いでしょう。

就労継続支援A型の面接では、就労への意欲や適性を確認するための多岐にわたる質問が想定されます。

まず、志望理由やこれまでの職務経験、自分の強みや弱みについて尋ねられることが多いでしょう。通勤手段や希望する勤務時間も、無理なく通所・勤務できるのかを確認する上で肝心な項目です。

面接をスーツ姿で受ける男性の写真。就労継続支援A型の面接では、就労への意欲や適性を確認するための多岐にわたる質問が想定されます。

特に、障がいや病気の状態、働く上で必要となる配慮については、事業所が適切な支援を提供するために詳細に確認されます。自分の特性を理解してもらうためには、日常生活や仕事における具体的な困難について説明することが大切です。

面接を受ける前に、実際に聞かれることをしっかり把握しておきましょう。

●志望動機

面接で志望動機を問われるのは、応募者が熱意と意欲を持って仕事に取り組めるか、会社の雰囲気に合うかを確認するためです。正直に答えることが大切ですが、給与が良いなど個人的な理由は避け、自分の経験や価値観と応募先企業の社風との適合性をアピールしましょう。

話の流れとしてはまず結論を述べ、それに至るまでの具体的なエピソードを続けます。次に、入社後にどのように貢献したいかという決意を示すと良いでしょう。

企業の理念や事業展開と自分の経験や思いを結び付けて具体的に話すことで、長く働いてくれそうな好印象を与えられます。

●長所と短所

面接で長所と短所を問われるのは、応募者が客観的に自己分析できているか、長所を業務に生かせるか、短所を認識し改善に取り組んでいるかを確認するためです。

「長所」と「短所という単語がノート両面に改訂ある写真。就労継続支援の面接では自己分析ができるのかもみられます。

そのため、単に答えるのではなく、長所・短所はそれぞれ要点を一つに絞りましょう。その上で、「短所は心配性なところだが、その分慎重に進められる」のように、肯定的な表現に言い換えることが重要です。

自己分析を通じて自分の能力や得意・不得意を把握することは、面接対策の基本です。面接官は応募者が自己評価をどのように行い、それを仕事にどうつなげるのかを確認しています。

●将来の夢

面接で将来の夢を尋ねられるのは応募者の未来像や仕事への意欲、その会社で長く働き続けられるかを確認するためです。

そのため、あまりにも非現実的なものでなければ、漠然とした夢を伝えて問題ありません。大切なのはその夢が応募先企業で実現可能であること、また仕事に対する熱意と意欲を伝えることです。

就職活動における将来の夢とは入社後にどのように成長し、キャリアを築いていきたいかという具体的な計画を示します。数年後に習得したいスキルや経験、キャリアの方向性、個人の成長をどのように達成していくかを具体的に語るようにしましょう。

●病気や障がいについて

病気や障がいについて聞かれるのは、応募者が自分の病気や障がいを理解し、どのように向き合っているかを知りたいからです。また、それを補うためにどのような対策を行っているのかも確認します。

説明する際には病気や障がいの具体的な内容や自分の理解度、通院や服薬の状況を丁寧に伝えましょう。仕事をする上で不安に感じていることや、業務を行う上で必要な配慮についても、具体的に説明できるよう準備が必要です。

配慮を伝える際はできないこと・できること伝えた上で、働く意欲を示すことが重要です。障がい者手帳の有無や症状への対処法なども聞かれる可能性があるため、整理しておきましょう。

●その他の質問

「自己紹介」と書かれた黄色のインデックスをつまんで差し出している写真。履歴書では自己紹介、自己PR、志望動機を入れて作成しましょう。

面接ではこれまでに紹介した質問以外にも、通勤手段や通勤時間、希望する配属や仕事内容について尋ねられることがあります。履歴書の空白期間についても、正直に説明することが大切です。働いていなかった期間や転職回数については、理由と今後の展望を伝えましょう。

また、自己紹介ではあいさつに始まり、名前、最終学歴、職歴、注力したことなどを簡潔に述べられるように準備しておきましょう。

自己PRでは自分の長所やスキル、経験を具体的に示し、入社後にどのように生かせるかを伝えることが重要です。実績や具体的なエピソードを交え、企業が求める能力と自分の経験を結び付けてアピールしましょう。

就労継続支援A型事業所に応募する際は、ナビゲーションブックを用意してみませんか。

ナビゲーションブックを作成することで、事業所や運営企業の面接担当者が専門知識を持たない場合でも、具体的な症状や必要な配慮を理解してもらいやすくなります。

ここでは、ナビゲーションブックの基本について解説します。

ナビゲーションブックは、障がいのある方が自分の特性や働く上で配慮してほしい事項を事業所や運営企業に伝えるためのツールです。

●ナビゲーションブックとは?

ナビゲーションブックは、障がいのある方が自分の特性や働く上で配慮してほしい事項を事業所や運営企業に伝えるためのツールです。作成することで、自分の障がい特性や個性、得意なこと・苦手なこと、注意が必要な点を明確にできます。

「私の障がいについて」や「自己紹介シート」といった簡易的なツールと比較して、ナビゲーションブックはより深く自己分析を行い、特性を掘り下げてまとめる点が特徴です。

就職や転職活動だけでなく、就労後の職場や支援機関の利用時など幅広い場面で活用できます。事前に作成することで周囲に状況を理解してもらいやすくなり、誤解や不適切な評価を防げます。就労先で良い関係性を築くためには、ナビゲーションブックを作成しておきましょう。

●基本情報の書き方

ナビゲーションブックを作成する際は、詳細な情報を網羅的に記述するよりも、必要な事柄を簡潔に伝えることが重要です。分かりやすさを優先し、自分の説明能力を示す意識を持ちましょう。

記載すべき基本的な項目は以下の通りです。

  • 障がい名:診断名など
  • 現状:現在の症状や体調
  • 就業:業務遂行における得意なこと、苦手なこと
  • コミュニケーション:周囲との意思疎通で配慮してほしい点
  • 思考・行動:自分の特性的な思考パターンや行動
  • 体調・疲労:体調の変動や疲れやすさ、服薬や通院状況など
  • その他:補足事項や質問を促す一文など

作成する際には過去の経験や記録を振り返り、支援者や家族からの客観的な意見も参考にすると、より効果的な内容になります。

●必要な配慮事項の書き方

必要な配慮事項を記載する際は、簡潔かつ具体的に以下4点を示すことが重要です。

  • どのような配慮が必要か:困る場面と希望する支援を具体的に記述する
  • なぜ必要か:自分の特性が業務に与える影響を説明する
  • 自分の対処・できること:工夫点や可能な業務範囲を示す
  • 誰に知ってほしいか:情報共有の範囲を明示する

記述する際には、「〇〇はできません」といった否定的な表現を避け、「〇〇していただけると幸いです」や「〇〇であれば可能です」といった肯定的な言葉を選ぶようにしましょう。

また、記載する際には募集要項を丁寧に読み込み、実際の業務を想像しながら必要な配慮事項を整理することが大切です。正確かつ簡潔に伝えることで、周囲から適切なサポートを受けやすくなります。

ここまで就労継続支援A型事業所に応募する際の履歴書の書き方、面接での活用法をご一緒にみてきました。いかがでしたでしょうか。

ガッツポーズをする女性の写真。面接のポイントを把握でき、自信がでてきたようす。

【履歴書ポイントは4つ

  • 基本的な履歴書の書き方を理解する
  • ナビゲーションブックを活用し、自己分析を行う
  • 自己PRで企業が求める能力と自分の経験を結び付けてアピールする
  • 面接を想定して作成をする

履歴書は面接官ールです。

履歴書で自分のスキルが入社後にどのように生かせるか、実績や具体的なエピソードを交え、企業が求める能力と自分の経験を結び付けてアピールしましょう。

一般就労と同様に面接があるため、履歴書の内容に沿って話す練習も必要です。伝えたいポイントを押さえて履歴書を作成し、面接で効果的にアピールしましょう。ご自身の特性や障がいについてもポイントを押さえていれば、伝えやすくなります。


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※1 参考:アクセスジョブ.「アクセスジョブとは」 (参照2025-04-30)

※2 参考:アクセスジョブ.「トップページ」 (参照2025-04-30)