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四ツ橋

障がいのある子どもの未来を拓く~進路&就職サポート説明会

公開日:2025.11.25

更新日:2025.11.25

障がい者 就労 子供 将来

はじめに

「学校を卒業したら、うちの子にはどんな進路があるの?」「何が向いているのかわからない」

障がいのあるお子さんを持つ保護者の方なら、一度は抱く不安ではないでしょうか。私自身、就労移行支援事業所の職員として、そして障がいのある子どもの保護者として、この問いに向き合い続けています。

2025年11月22日、アクセスジョブ四ツ橋にて「進路&就職サポート説明会」を開催いたしました。今回のブログでは、説明会の内容をもとに、障がいのあるお子さんの進路選択のポイントと、学生時代に培っておくべき力についてお伝えします。


1.進路を考える3つの視点

障がいのある方が義務教育後の進路を選ぶ際、大切にしたい視点は3つあります。

①自己理解を深める

「好き」「楽しい」という気持ち
お子さんが何に夢中になるか、どんな時に活き活きするか。これは進路選択の大きなヒントになります。

「得意」なこと
他の人よりスムーズにできること、それを活かせる場面はどこにあるでしょうか。

「苦手」や「疲れやすいこと」への配慮
どんな環境や状況が苦手か、無理なく活動できるペースはどのくらいか。これを知ることで、適切な環境選びができます。

② 情報を集める

進学するのか、就職するのか。どちらを選ぶにしても、具体的な選択肢を知ることが重要です。

学校教育の継続

  • 特別支援学校(高等部)
  • 高等学校(全日制・定時制・通信制)
  • 大学・短期大学・専門学校

就職

  • 一般企業(障がい者雇用枠)
  • 特例子会社
  • 福祉的就労(就労移行支援、就労継続支援A型・B型など)

③支援を活用する

合理的配慮
入試や就労の場で、障がいによる困難さを軽減するための配慮を知り、活用しましょう。

相談できる場所を知る
学校内、公的機関、医療・福祉機関など、頼れる場所を把握しておくことが安心につながります。一度障がい者枠に進んだからといって、ずっとそちらで働かないといけない訳ではありません。障がい者手帳が更新されない方もいます。


2.福祉的就労という選択肢

一般企業への就職だけが進路ではありません。福祉的就労という選択肢があることをご存知でしょうか。

①自立訓練(生活訓練)

こんな方に向いています

  • 生活リズムを整えたい
  • コミュニケーション能力を向上させたい
  • 就労の前に、まず生活の基盤を固めたい

利用期間: 2年間(最大1年延長可能)
対象: 18歳以上65歳未満

最近では、自立訓練と就労移行支援をセットで提供する事業所も増えています。

②就労移行支援

こんな方に向いています

  • 一般企業への就職を目指している
  • 働くための準備や訓練が必要
  • 就職活動のサポートを受けたい

利用期間: 2年間(最大1年延長可能)
対象: 18歳以上65歳未満

生産活動や職場体験を通じて、働くために必要な知識やスキルを身につけます。求職活動の支援や、就職後、職場との間に入って定着支援も行います。

③就労継続支援A型

こんな方に向いています

  • 毎日決まったリズムで働ける
  • 会社のルールを守れる
  • 雇用契約を結び、最低賃金以上の給与を得たい

雇用形態: 雇用契約あり
平均賃金: 約8〜10万円
対象: 18歳以上65歳未満

雇用保険・社会保険に加入し、週5日の出勤が基本です。

④就労継続支援B型

こんな方に向いています

  • 体調の波があり、安定した勤務が難しい
  • 自分のペースで働きたい
  • 無理せず、できる範囲で働きたい

雇用形態: 雇用契約なし
平均工賃: 約1.5〜2万円
対象: 年齢制限なし

自由出勤で、体調に合わせて働けるのが特徴です。


3.実際の体験談から学ぶ

①Aさん(就労継続支援B型)の場合

卒業校: 定時制高校
障がい: 精神障がい(統合失調症)

体調の波が大きく、安定した勤務が難しいAさん。B型事業所では、体調に合わせて自由に出勤でき、軽作業(シール貼り、袋詰め)や手芸作業を通じて、無理なく収入を得ています。

②Bさん(就労継続支援A型)の場合

卒業校: 特別支援学校高等部
障がい: 知的障がい(軽度)

指示があれば作業をこなせるBさん。毎日決まったリズムで働くことができ、雇用契約を結んで最低賃金以上の給与を得たいという希望から、A型事業所を選択。工場での部品組み立てや飲食店の調理補助を担当しています。

③Cさん(就労移行支援)の場合

課題: 面接は受かるが、仕事が長続きしない

複数の職場を経験したものの、人間関係の不安や自己理解の不足から仕事が続かなかったCさん。就労移行支援を利用し、自己理解(障害理解)、得意・不得意の振り返り、仕事理解を深めました。

ハローワークへの同行支援や、就職後の定着支援を見込んだ支援体制により、現在は安定して働いています。

④Dさん(特例子会社)の場合

卒業校: 専門学校
障がい: 発達障害

忘れ物や間違いが多いDさん。ある程度の就労経験があり、決まったリズムで働けるため、適度なサポートがある特例子会社を選択。大手企業の事務サポート(書類整理・データ入力)を担当し、過度な競争やプレッシャーのない環境で活躍しています。


4.学生生活で育んでおくべき4つの力

実際に就労した方々の体験談から見えてきた、学生時代に培っておくべき力があります。

①ルールを守る力

社会に出れば、さまざまなルールがあります。「時間を守る」「約束を守る」といった基本的なルールを守る習慣を身につけましょう。

②週5日通える体力

継続して働くためには、体力が必要です。学生時代から、毎日学校に通う習慣をつけることが大切です。

③ 困ったことを自分の言葉で発信できる力

「困っている」「わからない」と言えることは、とても重要なスキルです。支援を受けるためには、まず自分の状況を伝えられることが必要です。この伝え方は筆談でも構いません。どのやり方なら伝えられるのかを明確にしましょう。

④自己肯定感

スモールステップを積み重ね、「できた!」という成功体験を増やしましょう。自己肯定感は、新しいことに挑戦する原動力になります。また、目標と立てて遂行することを知っていると仕事に取り組み易くなります。


5.就労移行支援の利用について

①利用対象者

  • 企業等への一般就労を希望する18歳以上65歳未満の方
  • 精神・発達・知的・身体などの障がいがある方
  • 難病・その他、さまざまな障がいのある方

②障害者手帳がなくても利用できます

  • 自立支援医療受給者証での利用申請が可能
  • 医師の診断書・意見書とともに行政の障害福祉課(居住区)に申請
  • 障害者手帳・受給者証がない場合でも、医師の診断書があれば利用申請可能(自治体との相談が必要)
  • 企業の障がい者枠に進む場合は、基本的には障がい者手帳が必須

6.アクセスジョブの特徴

私たちアクセスジョブは、「インタラクティブにあなたが輝く就労へ」をモットーに、以下のような支援を提供しています。

  • 個別支援: お一人おひとりに合わせたプログラム
  • 新しい就労「テレワーク」: 在宅での働き方もサポート
  • 学びのプログラム: 実践的なスキルを習得
  • 抜群のアクセス: 通いやすい立地
  • 明るく広々とした空間: 居場所として安心できる環境
  • 豊富な経験と全国ネットワーク: 約50年の実績を持つクラ・ゼミグループ

7.おわりに―保護者としての私の経験から

今は暗闇で、どう進んだらよいのかわからない保護者の方がおられるかもしれません。私も息子に知的障害があると判明した時はそうでした。なぜ私の息子が?という思いと、この先どうしたらよいのか全くわかりませんでした。小学校に上がる前に知的障害と診断され、関西で大手と言われる病院の受診を待っていたら小学生となり、いよいよ受診できた暁には、「知的障害は病気ではないので治りません。この病院は小学生は対象外なので、学校で何とかしてもらって下さい。」と言われ、しばらく茫然としました。でも考え方を変え、「障がいは治らなくても成長はするだろう。では、私がこの子の主治医となり、成長するために必要なことを全力でサポートしよう。」と決め、国家資格を取得して福祉業界に転職しました。

障がいのあるお子さんの進路は、決して一つではありません。お子さんの個性や希望、そして家族の状況に合わせて、最適な道を選ぶことができます。現場で働いていて感じることは、障がい者枠へ進むことへの大きな抵抗(見えない壁)です。私の息子は中学から支援学校に進みました。この時にかなり悩みました。息子は勉強が好きではなく、高校からは支援学校以外の進路は考えられない。それなら無理をすることなく中学から支援学校でよいと判断しました。最終的には息子が見学へ行き、ここがよいといった国立の支援学校へ進むことになりました。世間体ではなく、自分の子供はどちらの進路が合っているのかをよく考えていただければと思います。

大切なことは、早めに情報を集め、実際に体験してみること。そしてお子さん自身が「自分はこうしたい」と思える進路を一緒に探していくことです。私は支援者として、保護者としても、これからもご家族に寄り添いながら、一人ひとりが輝ける未来づくりをサポートし続けます。

障害者 就労

就労移行支援事業所 「アクセスジョブ四ッ橋」

50年の歴史を持つ教育からスタートしたクラ・ゼミグループ

障がいがあっても、ブランクがあっても、サポートを受けながら働くことができます。国家試験などの資格サポートも充実!

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